大切なのは、咬み合わせ
『歯並びが悪いと見た目が悪い』実はそれだけではありません。
歯の咬み合わせは見た目以外にもむし歯や歯周病、食べ物の消化・吸収などに関係し、放っておくと全身の健康に悪影響を与えてしまいます。
矯正治療は、歯周組織や顎、骨を含む領域を扱う治療であり、決して歯並びだけを治すのではありません。
また、矯正治療は生えている歯の位置を適した位置に移動する治療のため、日常でも常時器具を装着する必要があることと、定期的な調整のための来院を含む治療期間が長期に及ぶ治療となります。
当院では、患者さんの日常生活とご希望をお伺いした上で、お一人お一人の状態に合わせた無理のない矯正治療をご提案しております。
不正咬合について
歯が不揃いだったり、上下のアゴの歯ならびがお互いにちゃんと噛み合わない状態を「不正咬合」といいます。
不正咬合をそのままにしておくと下記のような問題が生じることがあります。
虫歯や歯周病になりやすい
歯並びが悪いと歯磨きがしにくく、磨き残しが増えやすいので虫歯や歯周病になりやすくなります。また、磨き残しや食べかすは口臭の原因にもなります
食べ物の消化・吸収への影響
歯並びや噛み合わせが悪いと、食べ物をよく噛みにくくなり、食べ物の消化のときに胃への負担が大きくなります。
歯の寿命が短くなる
噛むときにかかる力が均等でないため、特定の歯への負担が大きくなってしまい、その歯が折れやすくなります。
矯正治療メニュー
矯正治療は、顎が発達中のお子様から、顎が形成された成人まで、歯並びや噛み合わせの状況、顎の状態など、その状況によって治療法は異なります。
部分矯正(MTM:Minor Tooth Movement)とは、歯全体の矯正ではなく、気になる部分の歯だけを動かす矯正治療のことです。
例えば、
- 前歯が少しだけ出っ歯になっている
- 1本の歯だけが他の歯と比べて大きくずれている
- 歯と歯の間に隙間が空いている
といった、部分的な歯並びの悩みを改善したい場合に適しています。
部分矯正の特長
- 治療期間が短い:全体の歯を動かす矯正治療に比べて、治療期間が短く済むことが多いです。
- 費用が比較的安価:治療範囲が限定されるため、費用も抑えられるケースが多いです。
- 歯への負担が少ない:全体の歯に力をかけるわけではないため、歯への負担が少なく、痛みも少ない傾向にあります。
- 見た目が気になる方にもおすすめ: 歯の裏側への装置装着や、透明なマウスピースなど、見た目に配慮した治療方法を選ぶことができます。
部分矯正の注意点
- 適応外の場合がある:歯全体のバランスが大きく崩れている場合や、複数の歯を大きく動かす必要がある場合は、部分矯正だけでは対応できないことがあります。歯並びの細かい調整をしたい場合や、歯を大きく移動する必要がある重度の不正咬合の場合は、ワイヤー矯正を行います。
- 後戻りのリスク:歯の周りの骨の状態や、患者さんの生活習慣によっては、治療後に歯が元の位置に戻ってしまう可能性があります。
床矯正は混合歯列期6歳〜11歳くらいの子どもが対象となる矯正治療法の一つです。顎の骨が成長している時期に、「拡大床」という装置を歯の裏側に取り付け、時間をかけてあごの骨を大きくすることで歯並びや噛み合わせを整えます。
この装置は取り外しができますので、取り外しができない他の装置と比べて歯みがきや手入れがしやすいです。
床矯正の特徴
- 顎の成長を利用する:子供の顎は成長途中のため、この成長を利用して歯並びを整えます。
- 歯を抜かない:歯を抜かずに、顎を広げて歯にスペースを作り、歯並びを整えます。
- 装置が取り外し可能:食事の時や歯磨きをする際は装置を外せるため、清潔に保ちやすいです。
床矯正の特長
- 顎の成長を促す:顎の骨の成長を促し、顔全体のバランスを整えることができます。
- 歯を抜かずに治療できる:歯を抜くことに対する抵抗感が少ないです。
- 装置が取り外し可能:日常生活に大きな支障がなく、お子様も負担が少ないです。
- 歯周病予防:歯周病になりにくい口腔環境を整えることができます。
床矯正の注意点
- 歯並びの細かい調整はできない:床矯正は、顎の骨を広げて歯をきれいに並べるためのスペースを確保することが目的の矯正治療です。歯の位置を調整する治療ではないので、床矯正だけでは歯並びを完全にきれいに整えることはできません。
- 治療期間が長い:歯の生え変わりや顎の成長に合わせて治療を進めるため、一般的な矯正治療よりも治療期間が長くなることがあります。
- 装置の装着が必須:効果を出すためには、毎日決められた時間装置を装着する必要があります。
- 適応外の場合がある:歯並びの状態によっては、床矯正だけでは対応できない場合もあります。歯並びの細かい調整をしたい場合や、歯を大きく移動する必要がある重度の不正咬合の場合は、ワイヤー矯正を行います。
床矯正に向いているお子様
- 顎が小さい
- 歯が並ぶスペースがない
- 出っ歯気味
- 受け口
床矯正で使用する装置
床矯正では、主に「拡大床」と呼ばれる装置を使用します。この装置には、ネジがついており、ネジを回すことで装置が少しずつ広がり、顎の骨も広がっていきます。